子宮内膜症と不妊

Q,34歳で結婚半年です。先日、検診で子宮内膜症(チョコレート嚢腫)の指摘を受けました。不妊にならないか心配です。子宮内膜症と不妊の関係を簡単に教えてください。また今後のアドバイスもお願いします。

A,子宮内膜症と不妊に強い関連があることは、良く知られている事実です。先ず子宮内膜症とは、子宮内膜が、それ以外の場所にある状態を指します。多くは卵巣(これをチョコレート嚢腫と呼びます)や腹膜、あるいは子宮筋層内(これを子宮腺筋症と呼びます)にあることが多いです。子宮内膜は月経周期に合わせて増殖後に、妊娠成立しないなら剥離して、体外に排泄(月経)されます。子宮内膜症の場合は、剥離した際に内膜や血液が排出される所がなく、血液が溜り(チョコレート嚢腫)、さらに剥離面の傷の修復に周辺器官がその部を覆います(癒着)。不妊との関連に関しては下図をご覧ください。主な不妊要因としては①癒着による卵胞の破裂障害、②卵管の卵子取り込み障害、さらに③卵巣炎症による卵子減少、さらに④,⑤も不妊要因になります。質問者へのアドバイスとしては、現状の状況を早期に専門クリニックで診察してもらい、今後の対応を決めて行く事が良いと思います。